旋回と跳躍と

フィギュアスケートに関してあれこれ思い巡らせたことの記録です。過去に出したものもまとめているため、時系列は歪んでいます。

ついに単行本刊行①

町田樹 著
アーティスティックスポーツ研究序説 —— フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論
 

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町田さんの、研究者として初の著書が上梓されました。おめでとうございます。

学術書を発売日に予約して買うなんて、初めてです。
COVID-19災禍により3月の講演会が延期、さらに再調整となり、この本も5月末の刊行予定が遅れてしまいました。書店も営業自粛による休業や短縮営業でなかなか行くことができず、営業再開しても予約を受け付けていなかったりして、はらはらしました。

6月15日出版、町田さんの公式サイトでも15日刊行(発売)と予告されていましたが、店頭発売は16日からでした。私もテレワークを続けていて書店に行けるタイミングが変わるので、やきもきしてしまいました。

 

400ページを超える厚い学術書
落ち着いた色合いの装丁、シンプルだけど重厚さもあり美しいです。書影が出たときから気になっていた円環のモチーフがすてき。

じっくり時間をかけてまじめに読もうと思っていましたが、序章の冒頭から町田語録が炸裂していて、つい笑ってしまいました。
町田さん、公式サイトや雑誌の連載などは、こだわった言葉遣いの合間に素がぽろりと出てしまう文調ですが、今まで読むことのできた論文はさすがにクールダウンして整っていると思います。
でも、序章はだいぶ意気込みが詰まっていて、とばしてますね。アツい。

私はあとがきをわりと先に読んでしまうほうで、今回は学術書だしどうしようかと思っていたのですが、序章の熱気を冷ますために、その次にあとがきを読みました(笑)

そして、あとがき読んで少し驚きました。
いつものようにお世話になった方々に御礼を述べているのですが、競技者時代からご縁のあった先生方もいるのですね。

 比較文化がご専門の先生はパリの芸術、写真評論をされている方なので、町田さんがドアノーの写真に着想を得て「Je te veux」を作ったころからお知り合いなのでしょうか。
学外のゼミに参加させてもらえるなんて、かわいがられてますね。

修士のはじめからたくさんの学会に入って次々に発表をしていた町田さん、積極的に人脈を築いているのが、さすがです。

ところで、あとがきの地の文章は「だ・ある調」なのに、御礼の文末は全部「です・ます調」になっているのが律儀。御礼の箇所が多いので、なんだか微笑ましかったです。


発売初日は序章・あとがきと、第Ⅰ部第一章をざっくり読んだだけで時間切れになりました。
ボリュームたっぷりなので、理解のために少しずつ感想を書いておこうかなと思います。